あせも

あせも

この記事でわかること

  • 赤ちゃんの顔・体に出る発疹・湿疹の主な種類(乳児湿疹・脂漏性湿疹・あせも・アトピー・突発性発疹・とびひ)の特徴
  • 「これは何の発疹?」を判断するための部位・月齢・見た目の手がかり
  • 家庭でできる基本のスキンケアと、種類別に気をつけたいポイント
  • すぐ受診したほうがよいサイン(発熱を伴う・急に広がる・じくじくして膿がある)
  • 市販薬を使う前に知っておきたい注意点と、小児科・皮膚科の選び方

公的情報源: 日本小児科学会/日本皮膚科学会の一般向け情報、厚生労働省の乳幼児健康関連資料を参考に整理

結論を先に書きます

赤ちゃんの発疹・湿疹は種類が多く、見た目が似ているため、家庭で正確に見分けるのは簡単ではありません。出ている部位・月齢・広がり方・全身症状の有無を手がかりにすると、ある程度はあたりをつけられます。

ただし、自己診断で市販薬を続けるより、気になる発疹は早めに小児科か皮膚科に相談したほうが安心です。とくに発熱を伴う発疹や、急に全身へ広がる発疹は受診のサインと考えてください。

この記事の要点
  • 乳児期に多いのは乳児湿疹・脂漏性湿疹・あせも。慢性的に繰り返すならアトピーも視野に入る
  • 発熱とセットで出る発疹は突発性発疹などの感染症の可能性があり、見分けの基準が変わる
  • 家庭ケアの土台は清潔・保湿・蒸れ予防。種類が違っても共通する
  • じくじく・膿・急な広がり・発熱は受診の目安

肌トラブル全般の予防・スキンケアの基本は赤ちゃんの肌トラブル予防・スキンケアで、おしり・股まわりのかぶれはおむつかぶれの原因とケアでくわしく整理しています。本記事は「顔・体に出る発疹/湿疹の種類と見分け」に絞ってまとめます。

目次

赤ちゃんの発疹・湿疹にはどんな種類がある?

赤ちゃんの肌に出る発疹・湿疹は、大きく「皮膚そのもののトラブル」と「感染症によって出るもの」に分けられます。まずは全体像を押さえると、後の見分けがぐっと整理しやすくなります。

代表的なものを一覧にまとめました。まずは「どこに・いつ・どんな見た目で出ているか」を当てはめてみてください。

種類出やすい時期出やすい部位見た目の特徴発熱
乳児湿疹生後2週〜3か月ごろ顔・頬・額赤いブツブツ・カサカサなし
乳児脂漏性湿疹生後1〜3か月ごろ頭・眉・額の生え際黄色っぽいかさぶた状のかさつきなし
あせも高温多湿の時期首・脇・背中・おむつ周り汗をかく部位の小さな赤いブツブツなし
アトピー性皮膚炎生後数か月〜顔・首・ひじ膝の内側かゆみが強く繰り返す・乾燥なし
突発性発疹生後6か月〜2歳ごろ体幹から全身へ高熱が下がった後に赤い発疹あり
とびひ季節を問わず傷・かき壊した部位水ぶくれ・じくじく・黄色い膿場合により

この表はあくまで目安です。実際には複数のトラブルが重なることもあり、見た目だけで断定するのは難しいのが現実です。気になるときは表で当たりをつけつつ、判断に迷えば受診しましょう。

「皮膚トラブル」と「感染症」をまず分けて考える

最初の分かれ道は、発疹に発熱や元気のなさが伴うかどうかです。

乳児湿疹・脂漏性湿疹・あせも・アトピーは、基本的に発熱を伴わない皮膚トラブルです。一方、突発性発疹のように高熱とセットで出るものは、感染症のサインのことがあります。

発熱や機嫌の悪さ、食欲の低下を伴う発疹は、皮膚の問題というより全身の体調と関わっている可能性があります。この場合は皮膚科より小児科が向いています。

乳児湿疹・脂漏性湿疹の特徴と見分け方

生後すぐの赤ちゃんに多く見られるのが、乳児湿疹と乳児脂漏性湿疹です。どちらも生まれて間もない時期の肌の特性に関係しており、適切なケアで落ち着いていくことが多いトラブルです。

乳児湿疹(生後2週〜3か月ごろ)

乳児湿疹は、頬や額を中心に赤いブツブツやカサカサが出る状態の総称です。生後2週ごろから始まり、生後2〜3か月でピークを迎えやすいといわれます。

この時期の赤ちゃんは皮脂の分泌が一時的に多く、その後は逆に乾燥に傾きます。皮膚のバリア機能も未熟なため、ちょっとした刺激で炎症が起きやすい状態です。

ケアの基本は、やさしく洗って清潔に保ち、しっかり保湿すること。多くは数か月でなだらかに落ち着きますが、ジュクジュクしてきたり、かゆがって眠れなかったりする場合は受診を検討してください。

乳児脂漏性湿疹(生後1〜3か月ごろ)

脂漏性湿疹は、頭皮や眉、額の生え際に黄色っぽいかさぶた状のかさつきが出るのが特徴です。皮脂が多い部位にできやすく、見た目のインパクトはありますが、かゆみは強くないことが多いトラブルです。

入浴前にベビーオイルなどでふやかし、入浴時にやさしく洗うと、かさぶたが少しずつ取れていきます。無理にかさぶたを剥がそうとしないことが大切です。傷をつけると、そこから別のトラブルにつながることがあります。

乳児湿疹と脂漏性湿疹の見分けの目安

ざっくり分けるなら、頬や顔全体の赤みは乳児湿疹頭や生え際の黄色いかさつきは脂漏性湿疹と考えると整理しやすくなります。

ただし両方が同時に出ることもよくあります。どちらにせよ、清潔と保湿という土台のケアは共通です。スキンケアの具体的な手順は赤ちゃんの肌トラブル予防・スキンケアを参考にしてください。

あせも・アトピーの特徴と見分け方

繰り返しやすい・かゆみが強いタイプの代表が、あせもとアトピー性皮膚炎です。どちらもかゆみを伴うため、見た目が似て見えることがあります。

あせも(汗による炎症)

あせもは、汗をかいたときに汗腺の出口が詰まって炎症を起こすことで現れます。首まわり・脇・背中・おむつ周りなど、汗が溜まって蒸れやすい部位に小さな赤いブツブツが集中するのが特徴です。

高温多湿の時期に出やすく、汗をこまめに拭く・着替える・室温を調整することで改善・予防しやすいトラブルです。汗をかいたら早めにシャワーで流すか、濡れタオルでやさしく押さえるように拭き取りましょう。

あせもの基本ケアポイント
清潔にする汗をかいたら早めに流す・押さえ拭き
蒸れを防ぐ綿素材の肌着・こまめな着替え
室温を調整する涼しく快適な環境を保つ

軽いあせもはケアで数日〜1週間ほどで落ち着くことが多いものの、かき壊して膿んできた場合は、後述のとびひに移行することがあります。

アトピー性皮膚炎(慢性的にくり返す)

アトピー性皮膚炎は、かゆみが強く、良くなったり悪くなったりを繰り返すのが大きな特徴です。顔や首、ひじ・膝の内側など、皮膚がこすれやすい部位に出やすく、肌全体が乾燥しがちです。

あせもが「汗をかく時期に汗の部位に出る」のに対し、アトピーは季節を問わず繰り返し、乾燥とかゆみが続く点が見分けの手がかりになります。

ただし、アトピーかどうかは家庭で判断できるものではありません。繰り返す湿疹やかゆみが続くときは、自己判断せず小児科か皮膚科で相談してください。保湿を中心としたケアと、必要に応じた治療を組み合わせることが基本になります。

突発性発疹・とびひなど注意したい発疹

ここからは、皮膚トラブルとは性質が異なる発疹を整理します。とくに発熱を伴う発疹うつる可能性のある発疹は、対応の優先度が変わります。

突発性発疹(高熱の後に発疹)

突発性発疹は、生後6か月〜2歳ごろの赤ちゃんに多い感染症です。最大の特徴は、数日続いた高熱が下がったタイミングで、体や全身に赤い発疹が出てくる順番にあります。

発疹そのものはかゆみが強くないことが多く、数日で自然に引いていくことがほとんどです。多くの赤ちゃんが一度は経験するといわれます。

ただし、見分けの主役は「熱が先にあったかどうか」です。発熱を伴う発疹は皮膚トラブルとは別物と考え、まずは小児科を受診して全身の状態をみてもらうのが安心です。熱が高い・水分がとれない・ぐったりしているといった場合は、早めに相談してください。

とびひ(うつる・広がる)

とびひ(伝染性膿痂疹)は、あせもや虫さされなどをかき壊した傷から細菌が入り、水ぶくれやじくじくした部分が広がっていく細菌感染症です。黄色っぽい膿やかさぶたを伴い、かいた手を介して体のあちこちに飛び火するように広がります。

感染力があるため、きょうだいや園のお友だちにうつることもあります。タオルや衣類の共用は避け、じくじく・黄色い膿・急に広がるサインがあれば早めに皮膚科を受診してください。

その他の発疹(虫さされ・じんましんなど)

虫さされやじんましんも、赤ちゃんによく見られる発疹です。じんましんは、出たり消えたりを比較的短時間で繰り返すのが特徴で、地図のように盛り上がることもあります。

短時間で消える発疹は様子をみられることが多い一方、顔のむくみ・呼吸の苦しさ・繰り返す全身のじんましんなどがあるときは、すぐに受診が必要です。判断に迷う発疹は、写真を撮っておくと受診時の説明に役立ちます。

家庭でできる基本ケアと受診の目安

発疹の種類は違っても、家庭ケアの土台は共通しています。ここを押さえておけば、多くの軽い肌トラブルに落ち着いて対応できます。

ケアの基本は次の3つです。

  1. やさしく洗って清潔に保つ
  2. こまめに保湿してバリア機能を守る
  3. 汗・蒸れ・摩擦などの刺激を減らす

清潔・保湿・刺激対策の基本

汗や汚れ、よだれは肌への刺激になります。石けんを泡立てて手でやさしく洗い、こすらず押さえるように拭くのが基本です。洗ったあとは乾燥が進む前に、低刺激の保湿剤で保湿しましょう。

保湿は「症状が出てから」ではなく、日常的に続けることがバリア機能を守るポイントになります。爪は短く整え、かき壊しを防ぐのも大切です。具体的な洗い方・保湿剤の選び方は赤ちゃんの肌トラブル予防・スキンケアを参考にしてください。

市販薬を使う前に知っておきたいこと

ドラッグストアには赤ちゃん向けの保湿剤やかゆみ止めもありますが、自己判断でステロイド外用薬などを長く使うのは避けたいところです。発疹の種類によって適した対応は変わるため、合わない薬を続けると、かえって悪化したり、本当の原因が見えにくくなったりすることがあります。

市販薬で改善しない・繰り返す発疹は、薬を足す前に受診して原因を確かめるのが近道です。使用の可否や成分は、薬剤師や医師に相談すると安心です。

こんなときは早めに受診を

次のようなサインがあるときは、家庭ケアを続ける前に医療機関へ相談してください。皮膚の状態だけが気になるなら皮膚科、発熱など全身症状があるなら小児科が向いています。

  1. 発熱を伴う発疹が出ている
  2. 発疹が急に全身へ広がっている
  3. かき壊してじくじく・黄色い膿が出ている
  4. 強いかゆみで眠れない・機嫌が悪い状態が続く
  5. 家庭ケアを続けても改善しない・繰り返す

迷ったときは「受診して何でもなければ安心」と考えて構いません。赤ちゃんの発疹は判断が難しいからこそ、専門家に診てもらう価値があります。

よくある質問

赤ちゃんの発疹・湿疹について、保護者からよく寄せられる質問を整理しました。

Q1:発疹と湿疹はどう違うのですか?

「発疹」は皮膚に出るブツブツや赤みなどの症状そのものを指す広い言葉です。一方「湿疹」は、その中でもかゆみや赤み・カサカサを伴う皮膚の炎症を指すことが多い言葉です。乳児湿疹やあせもは湿疹の一種、突発性発疹は感染症による発疹、というイメージで整理すると分かりやすくなります。呼び方より、出ている部位・経過・全身症状を手がかりにするのが見分けの基本です。

Q2:発疹が出たら小児科と皮膚科のどちらに行けばよいですか?

発熱や機嫌の悪さなど全身症状を伴うなら小児科、皮膚の状態だけが気になるなら皮膚科が向いています。突発性発疹のように熱とセットで出る発疹は、全身の体調をみてもらえる小児科が安心です。かかりつけ医がいる場合は、まずそちらに相談するとスムーズに判断してもらえます。

Q3:あせもとアトピーはどうやって見分けますか?

あせもは汗をかく時期に、首や脇など汗の溜まる部位に出やすく、ケアで比較的早く落ち着きます。アトピーは季節を問わず繰り返し、乾燥と強いかゆみが続くのが特徴です。ただし家庭で確実に区別するのは難しいため、繰り返す湿疹やかゆみが続く場合は、自己判断せず小児科か皮膚科で相談してください。

Q4:発熱と一緒に発疹が出ました。すぐ受診すべきですか?

発熱を伴う発疹は、突発性発疹などの感染症の可能性があり、皮膚トラブルとは見分けの基準が変わります。水分がとれない・ぐったりしている・高熱が続くといった様子があれば、早めに小児科を受診してください。判断に迷うときも、まず小児科に相談するのが安心です。発疹の写真を撮っておくと、経過の説明に役立ちます。

Q5:とびひはうつりますか?保育園は休むべきですか?

とびひは細菌による感染症で、かいた手やタオルを介してうつることがあります。家庭内でもタオルや衣類の共用は避けましょう。登園の可否は症状の程度や園の方針によって変わるため、皮膚科で診断を受け、医師の指示に従うのが基本です。じくじくした部分が広がっているときは、早めの受診をおすすめします。

Q6:保湿はどのくらいの頻度ですればよいですか?

発疹が出ているときだけでなく、毎日の習慣として保湿を続けることがバリア機能を守るポイントになります。入浴後の乾燥が進む前と、肌の乾燥が気になるタイミングでこまめに塗るのが目安です。保湿剤の種類や塗り方に迷う場合は、低刺激のものを選び、合わないと感じたら薬剤師や医師に相談してください。具体的なケアは肌トラブル予防・スキンケアの記事も参考になります。

まとめ:種類を整理し、迷ったら受診を

赤ちゃんの発疹・湿疹は種類が多く、見た目が似ているため、見分けには手がかりの整理が役立ちます。最後に要点を振り返ります。

この記事のまとめ
  • 乳児期に多いのは乳児湿疹・脂漏性湿疹・あせも。繰り返すならアトピーも視野に入る
  • 発熱を伴う発疹は突発性発疹などの感染症の可能性があり、見分けの基準が変わる
  • とびひはうつる・広がるため、じくじく・膿のサインがあれば早めに皮膚科へ
  • 家庭ケアの土台は清潔・保湿・蒸れ予防で、種類が違っても共通する
  • 市販薬を足す前に、改善しない・繰り返す発疹は受診で原因を確かめる
  • 発熱なら小児科、皮膚の状態だけなら皮膚科。迷ったら受診して構わない

発疹そのものに加えて、おしり・股まわりのかぶれが気になるときはおむつかぶれの原因とケアを、毎日のスキンケアを見直したいときは赤ちゃんの肌トラブル予防・スキンケアをあわせて読んでみてください。


関連記事


免責事項

※本記事は赤ちゃんの肌に関する一般的な情報を整理したものです。発疹・湿疹は種類の見分けが難しく、症状には個人差があります。診断・治療を目的としたものではありません。気になる症状や繰り返す発疹、発熱を伴う発疹がある場合は、自己判断せずかかりつけの小児科・皮膚科を受診してください。


よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

保育士の Inoue です。保育の専門家として10年以上働きながら、2人の子どもを育てています。保育士として学んだ専門知識と、2児の母として日々実践していることを合わせてお届けします。

目次