子育て支援員とは?なり方・仕事内容・給与まとめ

この記事でわかること

  • 子育て支援員とは何か——2015年に国が創設した研修認定制度の中身と位置づけ
  • 研修の受け方・コース・費用の目安(最新は自治体・実施機関で確認)
  • 保育園・学童・地域子育て支援拠点など、活かせる仕事と配置のされ方
  • 保育士資格との違い(資格区分・業務範囲・給与の比較表)
  • 給与・時給相場と、向いている人・向いていない人の判断軸

公的情報源: こども家庭庁・厚生労働省「子育て支援員研修事業」(参照

結論を先に書きます

子育て支援員は、保育士資格がなくても短期間の研修修了で取得できる公的な認定です。保育補助スタッフとして、保育園・学童・地域子育て支援拠点などで働けます。

ねらいは「保育の担い手を増やすこと」。だからこそ、子育て経験のある方や、保育士を目指す前の一歩としても始めやすい仕組みになっています。

ただし保育士とは資格区分も業務範囲も給与も異なります。ここを取り違えると「思っていた働き方と違った」となりがちです。

この記事の要点
  • 子育て支援員は国家資格ではなく「研修修了の認定」。各都道府県(こども家庭庁所管)が認定する
  • 研修は基本研修+専門研修(4コース)。受講料・日程・eラーニング可否は自治体で差があるため最新は実施機関で確認
  • 働ける場は保育園・学童・子育てひろば・一時預かりなど。役割は保育士の補助・サポート
  • 給与はパート時給950〜1,200円前後が目安。保育士資格取得のステップにもなる

この記事は、保育現場の公開情報と公的資料をもとに、研修のしくみから仕事内容・保育士との違い・給与までを整理します。働き方を比べたい方には、関連記事もあわせてご覧ください。

目次

子育て支援員とは?制度の概要

まず「子育て支援員が何者なのか」を、制度の成り立ちから押さえます。結論は、研修を修了した人を都道府県が認定する保育補助の人材制度です。

2015年に創設された国の認定制度

子育て支援員は、2015年(平成27年)施行の「子ども・子育て支援新制度」を背景に創設されました。深刻な保育人材不足を補うため、国が定めた研修カリキュラムの修了者を「子育て支援員」として認定するしくみです。

認定は各都道府県(現在はこども家庭庁が所管)が行い、保育補助スタッフとして正式に位置づけられています。保育士のように2〜4年の専門課程を修了する必要がないのが、大きな特徴です。

社会人や子育て中の方が、働きながらでも取得しやすい——ここが入口のハードルを大きく下げています。

なぜ必要とされているのか

共働き家庭の増加や育児不安を抱える家庭の増加で、保育・子育て支援のニーズは高止まりしています。一方、保育士の養成には年単位の学習が必要で、すぐに人材を増やすのは簡単ではありません。

このギャップを埋めるのが子育て支援員です。子育て経験のある方やシニア層も活躍しており、保育現場では「保育士+子育て支援員のチーム保育」が広がっています。

子育て支援員の位置づけ(要点)
  • 国家資格ではなく研修修了の「認定」(更新制度は現時点で原則なし/運用は自治体で確認)
  • 認定主体は各都道府県。修了証は基本的に全国で有効
  • 役割は保育士の補助・サポート。担任・指導計画の主体は保育士

子育て支援員になる方法と研修の受け方

ここでは「どうやって取得するか」を整理します。流れはシンプルで、基本研修と専門研修を受けて修了証を得るだけです。

研修は「基本研修+専門研修」の2段階

子育て支援員の研修は、全コース共通の「基本研修」と、目指す職場に応じた「専門研修」の2段階で構成されます。

基本研修はおおむね8科目・8時間程度(eラーニング対応の自治体あり)。専門研修は、進みたい分野に合わせて次の4コースから選びます。

  1. 地域保育コース(保育園・小規模保育・一時預かりなど)
  2. 地域子育て支援コース(子育てひろば・相談窓口など)
  3. 放課後児童コース(学童保育)
  4. 社会的養護コース(乳児院・児童養護施設など)

保育補助として一般的な保育施設で働くなら「地域保育コース」、学童で働くなら「放課後児童コース」が目安です。修了すると、都道府県知事名の研修修了証明書が交付されます。

コース別の研修時間・就業先の目安

コースごとの科目数・時間数の目安は次のとおりです。時間数・科目構成は改定や自治体差があるため、最新は実施機関で確認してください。

コース専門研修の科目数(目安)研修時間の目安主な就業先
地域保育(保育補助)約11科目基本8h+専門15h前後保育園・小規模保育
地域保育(一時預かり)約9科目基本8h+専門14h前後一時預かり施設
地域子育て支援約10科目基本8h+専門16h前後子育てひろば・相談窓口
放課後児童約9科目基本8h+専門16h前後放課後児童クラブ
社会的養護約9科目基本8h+専門16h前後乳児院・児童養護施設

受講方法・費用・申し込み

研修は各都道府県、または都道府県が委託した機関(NPO法人・研修センターなど)が主催します。受講料は無料〜数千円程度が多く、全額公費負担で実質無料の自治体もあります。

申し込みは、各都道府県の担当窓口(子育て支援課・保育課など)のサイトから行うのが一般的です。募集は年に複数回あることが多く、タイミングを逃しても次の回に応募できます。

基本研修はeラーニング対応の自治体が増え、すきま時間で学べる環境が整ってきました。実技・演習を含む専門研修は会場集合型が多く、2〜3日程度で完結するケースが目立ちます。

申し込み前に確認したいこと
  • 居住地(または勤務予定地)の都道府県の募集要項・受講料
  • 進みたい分野に合うコース(保育補助か学童か等)
  • 基本研修のeラーニング可否と専門研修の日程

最新の日程・費用・コースは、お住まいの自治体(都道府県)の公式案内でご確認ください。

子育て支援員の仕事内容と働ける職場

取得後にどう働くのかを、職場別に整理します。共通するのは保育士の指示のもとで子どもの日常を支える補助業務という点です。

保育園・認定こども園

保育士の指示のもとで、食事・排泄・着替えの介助、お昼寝の見守り、室内外の遊びや製作活動の補助を担います。連絡帳の記入補助、保護者対応のサポート、保育室の清掃・消毒・おもちゃの管理なども日常業務です。

0〜2歳児クラスでは抱っこや授乳補助もあり、体力と集中力が求められます。保育士が担任として計画・記録を担い、子育て支援員はその実行面を手厚く支える役割です。

放課後児童クラブ(学童保育)

小学生が放課後を安全に過ごせるよう見守るのが中心です。宿題の丸付け・学習サポート、おやつの準備、遊びの企画、子ども同士のトラブル対応などを担います。

学童では「放課後児童支援員」の補助として子育て支援員が配置されるケースが多く、ニーズが高い分野です。

地域子育て支援拠点・一時預かり

子育てひろばでは、乳幼児と保護者が集う場の運営、イベント補助、育児相談の初期対応などを行います。一時預かりでは、保護者に代わって一定時間子どもを預かります。

地域密着型のため、地元で働きたい方に人気です。週2〜3日のパートから始められる求人も多く見られます。

働く場所主な業務主な対象
保育園・認定こども園食事・排泄・着替え介助、遊び補助、保育室管理0〜5歳
小規模保育事業少人数の保育補助全般0〜2歳
放課後児童クラブ(学童)学習サポート、遊び見守り、おやつ提供小学生
地域子育て支援拠点ひろば運営、相談対応の補助乳幼児と保護者
一時預かり施設短時間の預かり・保育全般乳幼児
ファミリー・サポート・センター自宅での預かり・送迎の補助乳幼児〜小学生

子育て支援員と保育士の違い

ここが取り違えの起きやすいポイントです。結論は、保育士は国家資格・主体的な担任業務、子育て支援員は研修認定・補助業務という線引きです。

資格区分・取得方法・業務範囲の違い

保育士は児童福祉法に基づく国家資格で、養成校(専門学校・短大・大学)卒業か、保育士試験合格で取得します。試験の合格率は例年20〜30%程度と難関です。

子育て支援員は国家資格ではなく、研修修了の認定です。取得ハードルは大きく異なります。

業務範囲も違います。保育士は担任を持ち、指導計画の立案・記録・保護者対応を主体的に担当。子育て支援員は補助スタッフとして保育士を支える立場です。施設の配置基準上、保育士の代替としてカウントされない場面がある点も押さえておきましょう。

給与・キャリアパスの違い

給与は保育士のほうが高い傾向です。子育て支援員はパート・アルバイト雇用が多く、時給は全国平均で950〜1,200円程度が目安になります。

キャリアの伸ばし方として一般的なのは、現場で経験を積みながら保育士試験に挑戦するルートです。実務経験は試験勉強の理解を助けます。施設によっては、保育士資格取得を費用補助などで後押しするところもあります。

比較項目子育て支援員保育士
資格区分研修修了の認定(公的認定)国家資格(名称独占)
取得期間の目安数日〜2週間程度2〜4年(養成校)or 試験合格
費用の目安無料〜数千円数十〜数百万円(養成校)
主な業務保育補助・サポート担任・計画立案・記録・保護者対応
雇用形態パート・アルバイトが多い正職員・パート両方
平均時給(パート)950〜1,200円程度1,200〜1,600円程度
施設長への就任原則不可条件を満たせば可能

保育士資格の取り方・通信や試験スケジュールの詳しい流れは、保育士資格の取り方【独学・通信・試験スケジュール】で整理しています。

子育て支援員の給与・時給相場

給与は雇用形態・勤務先・地域・勤務時間で大きく変わります。ここでは目安の幅をつかんでおきましょう。

雇用形態別の収入目安

中心となるパート・アルバイトの時給は、全国平均で950〜1,200円前後。都市部では1,100〜1,400円程度の求人もあります。週3〜4日・1日5〜6時間なら、月収は8〜13万円程度が目安です。

常勤(フルタイム)の募集は比較的少なめですが、正社員・契約社員で採用された場合は月収17〜22万円程度が見られます。処遇改善等加算などが一部適用される施設では、上積みされることもあります。

収入アップとキャリアの展望

収入を上げる主な道筋は3つあります。それぞれ役割が違うので、自分の状況に合うものから選ぶのが現実的です。

  1. 保育士資格の取得:担任業務が可能になり、正規雇用・給与アップに直結
  2. 勤務時間・日数の拡大:パートからフルタイムへ切り替えて月収を底上げ
  3. 処遇の良い施設への転職:人材需要が高く、経験年数が評価されやすい

保育人材は売り手有利の状況が続いており、子育て支援員としての実績はステップアップの足がかりになります。育児ブランク後の復職を考える方は、子育て中に取れる資格おすすめ【復職に役立つ】もあわせてご覧ください。

向いている人・向いていない人

最後に、判断の軸を整理します。「子どもと関わる時間」を中心に置けるかどうかが分かれ目です。

向いている人

  • 子どもと関わることが純粋に好きな人:日々のケアに喜びを感じられる
  • 子育て経験を活かしたい人:これまでの育児知識がそのまま現場で生きる
  • 保育士を目指す前の一歩がほしい人:実務経験を積みながら試験に挑める
  • 短時間・扶養内で働きたい人:週2〜3日のパートから始めやすい
  • チームで協力するのが得意な人:補助・サポート役にやりがいを見いだせる

向いていない人

  • 収入を生計の柱にしたい人:パート中心のため月収は抑えめになりやすい
  • クラス運営を主体的に担いたい人:担任業務は保育士が中心になる
  • 体を動かす仕事が難しい人:抱っこ・見守りなど体力面の負担がある

「向いていない人」は否定ではなく、サービス設計上の前提です。自分のニーズと照らし合わせれば、判断は自然にできます。働き方そのものを見直したい方は、子育て中の転職|成功するタイミングと注意点も参考になります。

よくある質問

子育て支援員について、よく寄せられる質問をまとめました。

Q1:子育て支援員の資格は更新が必要ですか?

研修修了証明書は、現時点では更新制度が原則設けられておらず、一度取得すれば継続して使えます。ただし制度改定や自治体の運用変更の可能性はゼロではないため、所属する都道府県の情報を定期的に確認すると安心です。知識のアップデートのために、自主的な研修や勉強会への参加も役立ちます。

Q2:子育て経験がなくても子育て支援員になれますか?

なれます。研修の受講資格に「子育て経験」は必須とされていません。年齢制限を設けない自治体がほとんどで、幅広い年代の方が取得しています。研修で基礎知識を身につけられますが、実際の現場では乳幼児との関わりに戸惑う場面もあるため、見学やボランティアで雰囲気を体感しておくとスムーズです。

Q3:研修はいつ・どこで受けられますか?

各都道府県、または都道府県が委託した機関が実施し、年に複数回の募集があります。申し込みは各都道府県の担当窓口(子育て支援課・保育課など)のサイトで確認できます。基本研修はeラーニング対応の自治体も増えています。コースや開催時期は自治体で差があるため、最新は居住地の都道府県公式サイトで確認してください。

Q4:研修の費用はどのくらいかかりますか?

多くの自治体で無料〜数千円程度です。全額公費負担で実質無料のところもあります。ただし金額は自治体・実施機関で異なるため、最新の募集要項で確認するのが確実です。教材費や交通費が別途必要な場合もあります。

Q5:子育て支援員から保育士になれますか?

なれます。現場で実務経験を積みながら、保育士試験の勉強を並行するルートが一般的です。試験は年2回実施され、筆記と実技に合格すると資格を取得できます。現場で学んだ知識が試験にも生き、ゼロから学ぶより理解しやすい面があります。詳しい流れは保育士資格の取り方もご覧ください。

まとめ

子育て支援員は、短期間の研修で取得でき、保育の現場に第一歩を踏み出しやすい認定制度です。最後に要点を整理します。

この記事のまとめ
  • 子育て支援員は2015年創設の研修認定制度。数日〜2週間程度の修了で取得できる公的認定
  • 研修は基本研修+専門研修(4コース)費用・日程・eラーニング可否は自治体差があるため最新は実施機関で確認
  • 保育園・学童・子育てひろば・一時預かりなどで、保育士の補助として働ける
  • 保育士は国家資格・担任業務、子育て支援員は研修認定・補助業務という違いがある
  • 時給は950〜1,200円前後が目安。保育士資格取得のステップとしても活用できる

子育て経験を活かしたい方、保育の仕事を試してみたい方には、入口として現実的な選択肢です。働き方や資格の選び方をもう少し比べたい方は、関連記事もあわせてご覧ください。


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免責事項

※本記事は公開情報・公的資料をもとにした整理です。研修の開催日程・費用・コース内容・認定の取り扱いは都道府県や実施機関によって異なり、制度改定もあります。最新情報は各都道府県の担当窓口・公式サイトでご確認のうえご判断ください。


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この記事を書いた人

保育士の Inoue です。保育の専門家として10年以上働きながら、2人の子どもを育てています。保育士として学んだ専門知識と、2児の母として日々実践していることを合わせてお届けします。

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